神崎郡福崎町って妖怪で有名なのをご存知でしょうか?
福崎町で生まれた柳田國男は官僚を退官後、民俗学を開拓し、全国に散らばる妖怪などの言い伝えを集めました。柳田が幼少期に福崎にて“河童”と出会ったという話もあります。
そんな福崎には「妖怪ベンチ」というものがあります。
福崎市内各地のお店前に様々な妖怪がベンチに座っている像が置かれているのです。
今回はそんな妖怪ベンチを巡り、その後、柳田國男の生家に併設されている、福崎の名産品もちむぎを堪能できる「もちむぎの館」へ行ってきました。
目次
妖怪ベンチ
全部で14基ある妖怪ベンチを、公式サイトの「福崎妖怪ベンチマップ」のリスト順で、(興味があったのでちょっと調べた妖怪の情報とともに)紹介します。
※2019年3月に新規追加された分も含めて14基すべて載せています。
可愛い妖怪ではなく、中々リアルで気持ち悪い(特に眼)のが、福崎の妖怪ベンチの魅力です。
河童のガジロウ/福崎駅
河童はかわいいマスコットキャラクター的に描かれることも多いですが、実際はなかなか気持ち悪いですね。緑のイメージがありますが、赤も一般的だそうです。
福崎では「ガジロウ」という名前の河童が目撃されたという説があります。
福崎駅は只今改修中です。妖怪をはじめとした観光に力を入れているようで、福崎町の今後に期待です!
フクちゃんサキちゃん/神戸医療福祉大学 バス乗り場
福崎駅入口にいるのと同じ河童のキャラクターですね。
他の妖怪とは違って可愛い見た目です。
学生さんは2人と一緒にバスを待てるので寂しくないですね。
タタミタタキ/神戸医療福祉大学 食堂前
西日本各地で夜中に畳を叩くような音がする怪音現象のことだそうで、別名「バタバタ」。
うちのリビングのマットも干して叩いてくれ!
雪女/福ふく温泉
たいてい美人に描かれる雪女。「死」を想像させる白装束をまとっていて、雪の日に現れ人の命を奪っていく、とされることが多いです。
天狗/天狗寿司
天狗は元々、地表近くまで落下した火球が空中で爆発した際の音を中国で「天狗(天を駆け降りる犬)の声」と表現したことから始まっているそうです。
天狗は慢心の権化とされ、そのため自慢げな人を「天狗になる」というようになりました。
福崎の天狗は鼻高々に“エリートビジネスマン”を気取っている、といったところでしょうか…(笑)
猫また/グルメミートにしおか
猫またがよく着物を着ているのは芸者を昔「ネコ」と呼んでいることと関連していると言われています。
猫はその魅惑的な瞳から、妖しいものとされることも多いらしいです。
鬼/ひのストア
鬼は元々、目に見えない、この世のものにあらざるものという意味で「隠(おぬ)」から転じたものという説があります。
…てか、福崎の鬼、ちゃらいな(笑)
一反もめん/ファミリーマート
一反木綿は、道を歩いている人の顔に巻き付いて窒息させるという妖怪です。「一反木綿が出るから早く帰っておいで~」と遅くまで遊ぶ子供に言い聞かせたりしていたそう。
現代でも一反木綿(宙を舞う白い布)の目撃情報はたくさんあるそうです。…バスタオル…ではないのか??
以前はマリーポアラーヌというパン屋さんに住み着いていたのですが、閉店。
ファミリーマートというアットホームな名前の新しい親元に引き取られました。
写真はそのパン屋さん前で撮ったもの。
油坊/焼肉ハウス北山
油坊は滋賀県や愛知県に伝わる怪火現象で、”遊ぶ金欲しさに油を盗んで売ったものの、途中で命を落としてしまった僧侶の亡霊”だと言われています。
美味しそう…。このままここで食べて帰ろうかな…。
一つ目小僧/レ・ボ・プロバンス
一つ目小僧は一般的に人に危害を加えることはなく、いたずらをしてビックリさせるだけだそうです。かわいい。
レ・ボ・プロバンスのケーキは私も何度か食べたことがあります。美味しいし、お店構えも可愛いですよ。
すねこすり/ボンマルシェ
歩いている人の足の間を通り抜けて歩きにくくする妖怪。(可愛いかよ!!)
現代にも普通にいますよね。足の間にまとわりついて歩きにくくしてくる猫ちゃんとか…。
うちの娘もそうです。
海ぼうず/ミートショップ松井
ずっと海にいるからか、ふやけてますね(笑)
海坊主は船を襲う妖怪ですが、wikiによると“時に「ヤアヤア」と声をあげて泳ぎ、櫓で殴ると「アイタタ」などと悲鳴をあげる”らしいです。かわいい(笑)
コナキジジイ/サタディサン
見た目は老人、泣き声は赤ちゃんであり、泣いているコナキジジイを抱っこすると、だんだん石のように重くなり、手放そうとしてもしがみついて離れず、重みで押し潰してくる妖怪。
ここサタディサンのコナキジジイはソフトクリームを落として泣いているそうです。
油すまし/辻川山公園
油すましは一説によると、元々妖怪ではなく、吊るした油瓶が頭上から下がってくる怪異現象ではないか、と言われています。なので、その風貌に関しては伝承されておらず、現在目にする油すましの姿は各々の創作だそうです。
これで14基コンプリート!
どれもクオリティの高い像で楽しかったです。
達成感とともにお腹がすいたので、隣のもちむぎの館で昼食を取ります。
もちむぎの館
- もちむぎの館
- 住所:福崎町西田原1022-4
- TEL:0790-23-1500
- 営業時間:9:00~17:00(レストランは11:00~)
- 定休日:月曜日(月曜が祝日の場合は翌火曜日)・年末年始
- ホームページ
もちむぎ麺は、うどんよりさらっとしていて、そばのような癖もなく、食べやすいです。
一番好きかもしれない。
お食事すれば200円でもちむぎソフトクリームが食べられます。
きなこソフトみたいな風味です。美味しい。
これを片手に辻川山公園をぶらっと観光します。
辻川山公園
- 辻川山公園
- 場所:もちむぎの館となり
- 駐車場:有り
現在メンテナンス中ですが、普段は水が張っていて、中から河童が顔を出したり引っ込めたりします。柳田が幼少期に見た河童を追体験できますね。こんな感じだったんでしょうか。
時々天狗が現れ、呪文のようなおぞましい声を響かせます。
何と言っているのかよく分からないのですが、近くにいた子供が「だれもかみのけきってくれへんねん、だよ」と言っているのを聞いてからそうとしか聞こえません(笑)
他にも見どころがあり、楽しい公園です。
柳田國男がいなければ「日本昔話」や「ゲゲゲの鬼太郎」は生まれていなかったかも、と福崎町の公式HPでは書いてありますが、確かにそうですよね。
福崎が生んだ偉人「柳田國男」を巡る旅でした。
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